秋季シャンパーニュ講座第1回(第3週)

秋季シャンパーニュ講座第1回は、「日本とフランスの絆」(時代の流れで表現するなら黎明期-新しい時代や文化のスタート時期)と題して、日本ワインづくりの歴史からスタートです。


下記、青木先生のブログに、大変詳しい解説が有りますので参照願います。




1877年(明治10年)に前田正名さんが、19歳と25歳の若者、土屋龍憲さんと高野正誠さんを伴って、マルセイユ経由、シャンパーニュ地方南部のオーブ県トロワ市まで連れて行って、シャルル・バルテさんのところでブドウの苗木づくりを、ピエール・デュポンさんの元で醸造、貯蔵技術、気象条件や土壌について、学ばせたとのこと。その先見性は、素晴らしいと思います。

日本ワインに対するバルテさんの功績は大きかったとのことです。


その流れで、最初に出されたワインは、「メルシャン 岩崎甲州2023」。岩崎は勝沼町にある岩崎地区のことです。


(1)シャトー・メルシャン 岩崎甲州2023

 生産者:メルシャン

 産地:山梨県甲州市勝沼町岩崎地区

 栽培方法:棚式栽培

 ぶどう品種:甲州100%

 生産本数:約4,000本



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久しぶりに甲州を飲みましたが、アロマ豊かで、果実感、塩味や渋みもあり、大変澄んだ、酒質の良さを感じさせる味わいで、素晴らしい仕上がりでした。


そして、次の2種は、シャンパーニュ地方南部トロワの東にあるモングー村のメゾンであるジャック・ラセーニュのNV。

こちらもドザージュ0g/Lのブラン・ド・ブランで、なかなか印象強し。



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(2)レ・ヴィーニュ・ド・モングー エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン NV

 生産者:ジャック・ラセーニュ(NM)

 ぶどう品種:CH100%

 ドザージュ:0g/L

 入荷数360本


(3)キュヴェ ル・コテ NV

 生産者:ジャック・ラセーニュ(NM)

 ブドウ品種:CH100%

 ドザージュ:0g/L

 入荷数84本


レ・ヴィーニュ・ド・モングー エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン NVは、澄んだゴールドで、泡も多く、スパイシーな香りに、キリリとした酸味が印象的なフレッシュな味わいでした。

キュヴェ ル・コテ NVは、少し濃いめのゴールドで、やはり泡は多く、柑橘系の香りに、凝縮感のある豊かで、ドライなのに酸味と甘みまで感じさせるバランスの良い味わいで、余韻も長く、なかなかの好印象で、お気に入りでした。


そして、次には、超希少なアイテムで、ヴィンテージュの2種。


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(4)ル・グラン・ド・ボーテ 2017

 生産者:ジャック・ラセーニュ(NM)

 ブドウ品種:CH100%

 瓶詰め:2021年5月

 デゴルジュマン:2024年3月

 ドザージュ:0g/L

 入荷数:36本


(5)クロ・サン・ソフィー 2017

 生産者:ジャック・ラセーニュ(NM)

 ブドウ品種:CH100%

 瓶詰め:2018年5月

 デゴルジュマン:2024年2月

 ドザージュ:0g/L

 入荷数24本


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ル・グラン・ド・ボーテ 2017は、細かい泡にきれいなゴールドで、ローストの香りを感じる、大変すっきりと爽やかな味わいで余韻も長く、かなりのお気に入りでした。


超貴重な一本である、クロ・サン・ソフィー 2017は、熟成感のある香りに複雑な酸もあり、強いパワーを感じさせる味わいで、一番のお気に入りでした。


最後に、フランスのトゥールーズにあるスミレ専門店のバイオレットクリスタリゼ「すみれの砂糖漬け」をクロ・サン・ソフィー 2017に落として、泡立ちを楽しみました。


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ということで、今回も、この講座でしか出会えないワインとシャンパーニュの数々で、大きな刺激を受けました。


以下、昼間の光で、記録撮影。


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クロ・サン・ソフィー 2017のラベルには、シャルル・バルテさんが勲章を授与されてお礼として、明治天皇に贈った菊の花「みかど」が描かれています。


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この記事へのコメント

  • hako

    fumikoさん、早速のチェックのコメントを、ありがとうございます。
    日本のワインの歴史が、トロワから始まっていたというのは、驚きでした。明治の人達の心意気を感じて嬉しく思いました。また、それが脈々と現在まで受け継がれて、岩崎地区の見事なワインに結実しているのも、素晴らしい事だと思います。
    今回は、ジャック・ラセーニュのCH100で、ノンドゼという、これも徹底したポリシーで造られた優れもの達に出会えたのも、感激でした。
    次回を、楽しみにしています。ありがとうございました。
    2024年10月26日 05:46
  • fumiko

    hakoさん、秋季講座も宜しくお願いします!
    6月から『ジャック・ラセ-ニュ』の新VT到着を待っていました。
    皆さんにお披露目させていただけたことを嬉しく思います。
    日本のワイン造りのルーツである“トロワ”の地のシャンパーニュ、
    ジャック・ラセーニュは初対面という方々が多かっただけに、
    取り上げて良かったと思っています。次回もお楽しみに!!
    2024年10月26日 02:35